アルデヒド


 横浜市衛生研究所が、国内で販売されているミネラルウオーターの一部から、
化学物質のホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを検出していたことが分かった。
同市の水道水の実測値と比べ、80倍以上の製品もあったが、飲み続けても
人体に影響が出る量ではないという。ミネラルウオーターの水質は食品衛生法に基づく基準があるが、
水道水に比べ基準項目が少ない。厚生労働省は、昨秋から、ミネラルウオーターの新水質基準の
策定を始めている。しかし、アルデヒド類の扱いは未定としている。

 調査したのは、横浜市内で販売されているボトル入りのミネラルウオーター30品。
うち14品が米、仏、カナダなどからの輸入品、16品が10道県で採水された国産品。同研究所が開発した
分析法でホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを調べた。

 その結果、輸入品5品、国産品14品の計19品からアルデヒド類が検出され、うち17品には
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの両方が含まれていた。
 ホルムアルデヒドの最高濃度は国産の1品の1リットル当たり59マイクログラム。アセトアルデヒドは
米国産の同260マイクログラム。
いずれも同市の水道水の実測値(ホルムアルデヒド13マイクログラム、アセトアルデヒド3.1マイクログラム)
を上回った。

 日本ではミネラルウオーターは清涼飲料水に分類され、食品衛生法で規格基準が定められているが、
アルデヒド類の基準はない。一方、水道水には水質基準を補う監視項目として
ホルムアルデヒド(ホルマリン)があり、指針値(これを超えないように監視する)は1リットル当たり
80マイクログラムとなっている。

 混入の原因は、水源か製造の過程が考えられるが、同研究所は「はっきりしない」としている。
容器の材質との関連性は認められなかった。

 ホルムアルデヒドは疫学調査で発がん性が確認されており、シックハウス症候群や化学物質過敏症の
原因物質とされる。アセトアルデヒドは動物実験で発がん性が確認されている。 【大島秀利、奥野敦史】
 
▽化学物質の毒性に詳しい小野寺祐夫・東京理科大助教授(環境科学)の話 
今回のデータでは、最も高濃度の製品でも人体への影響はない。しかし現在、国内ではミネラルウオーター中の
アルデヒド類を検査する体制がなく、より高濃度の製品があるかもしれないし、それを飲み続けた時の影響は
予測できない。早急に基準を決め、検査体制を作るべきだ。

▽国内約380社のミネラルウオーターメーカーのうち53社が加盟する日本ミネラルウォーター協会の話 
具体的な製品名が分からないので、コメント出来ない。ただ、協会の加盟社には、現行の水道水の水質基準と
ほぼ同じ内容の自主的管理基準を課している。

▽厚労省食品保健部基準課の話 初めて聞いた話なので、詳しいコメントはできない。
ただ、ミネラルウオーターは、元々きれいな水源の水という前提の商品で、国際的な基準に合わせて
水道水よりは水質項目が少なく設定されていた。現在、改定中で、今夏以降、新基準が作られる。
アルデヒド類の扱いは、未定だ。[毎日新聞4月20日] ( 2003-04-20-03:01 )


ミネラルウォーター生産、輸入の推移
(単位:キロリットル)日本ミネラルウォーター協会資料より

  国 産  輸 入
1982年    87000    163
2002年  1110500 264078

”飲み続けても人体に影響が出る量ではない”と言われても。
花粉症になる人、ならない人があるように、ほんの僅かでも影響のある人はいるだろう。
様々な化学物質汚染が問題になる時”人体に影響のない量”という表現が使われるが
何十、何百という物質が体内に蓄積され、それらが一緒になった時に更に毒性が増すなどの
危険はないのだろうか?(新たな物質に変化するとか)

・ホルムアルデヒド:化学式:HCHO、沸点-21度の無色でツンとくる刺激臭のある気体。これを40%程度水に
溶かし込んだものがホルマリンと呼ばれる水溶液で、フェノール樹脂・メラミン樹脂・ユリア樹脂などの樹脂、
接着剤、塗料やホルマリン漬標本などに代表される防腐・殺菌剤などに安価なこともあり、広く使われている。
発ガン性、変異原性、催奇形性、神経毒性などがあり、非常に高い発ガン性を有している化学物質である。

・アセトアルデヒド:協和香料化学が製造・出荷していた国内無認可の食品添加物
大量に化学合成で作られるが、飲酒によって体内でアルコールが分解されてもできる。
染料や合成樹脂の原料として用いられる。
プロピオンアルデヒドはアセトアルデヒドによく似た物質で、毒性はアセトアルデヒドより低いという。
ヒマシ油はトウゴマ(ひま)の種子を搾った油。無色に近い脂肪油で粘性が強い。
化粧品や塗り薬、せっけんなどに幅広く使用されている。 [2002年6月5日/日本経済新聞 朝刊]
(※協和香料化学は既に破産宣告されている)


・1963年2月16日、熊本大学医学部研究班、原因はチッソ水俣工場アセトアルデヒド排水中の
メチル水銀化合物を蓄積した水俣病の魚介類と正式発表。
・1968年9月18日、チッソ水俣工場、アセトアルデヒド製造設備の運転を停止。
(水俣病の原因はメチル水銀。チッソ水俣工場では、合成酢酸の原料アセトアルデヒドをつくるための触媒として、
硫酸水銀が用いられた。この過程で硫酸水銀が有機化してメチル水銀が副生される。)

・除去法:
・ホルムアルデヒドは100℃で10分間煮沸しても除去できない。
一部の浄水器(0.0001ミクロンの逆浸透膜フィルター使用)ならほとんどが除去できるらしい。
オゾン処理すると逆に増加してしまう。竹炭も有効だという。
ただ、シャワー時の湯気に大量に含まれているというので飲み水対策だけでは意味がない・・・
シャワーの湯気はマイナスイオンを消してしまう。湯気でモクモクの浴室は”不健康”の源?
シャワーを浴びる時は十分な換気を。

・アセトアルデヒドはトルマリンが有効という。(85%除去可能)こちらも竹炭など炭類が有効だとか。

1日も早く、どの製品にどのような物質がどれだけ含有されているのか公開して欲しいものだ。
含まれていない水がわかれば、それを選べば問題はないのだから。
化学物質にしろ放射能にしろ、目に見えないものほど怖いものはない。
”六甲のおいしいアルデヒド”、”南アルプス天然アルデヒド”でないことを願う。

ホルマリン汚染関連ページ

・水道水に関して

気温が上昇し、水温も上がってくるこれからの季節はトリハロメタン濃度も上昇してくる。
トリハロメタン=クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの4種類。
浄水場で消毒のために使用される「塩素」と原水中の”有機物”が反応して生成される物質。
発がん性、流産の危険因子が認められている。(有機物=フミン質、藻類、プランクトンなど)

除去法:5分間の煮沸、低価格の浄水器でも比較的簡単に除去可能。
ヤカンの場合フタを外して煮沸。フタの裏に付く水滴に濃縮されているため。

”養殖トラフグの生産高日本一の長崎県で、養殖業者の約6割にあたる11漁協95業者が過去3年間に、
発がん性が疑われ、水産庁が使用しないよう指導しているホルマリンを、寄生虫駆除に使っていたことが22日、
県の調査でわかった。県は養殖中の約359万匹のうち、ホルマリンを使った約166万匹について、
出荷を中止するよう各業者に要請した。
同県の金子原二郎知事は同日会見し、「まさかという気持ち。県の指導や調査にも甘さがあった。
全国の消費者におわびしたい」と謝罪。「ホルマリンを使わないように徹底し、信頼回復に努める」と語った。
県によると、東京水産大から厚生労働省を通じて「長崎県と愛媛県のトラフグ養殖でホルマリンが使われている」
との指摘が昨年11月にあり、県内の漁協を調査した。
ホルマリンは長年、寄生虫駆除に使われてきたが、水産庁は1981年、「食品への残留や排水による
環境汚染との関係が十分解明されていない」として使用しないよう通達した。長崎県は96年以降、生産量、
生産額ともに全国トップ。”[読売新聞社:2003年04月22日 23時29分]

やれやれ。            ”海洋深層アルデヒド”・・・

海は繋がっている。しばらくの間、長崎で採れた海産物(近海物)は避けた方が賢明だろう。(遅いか)
諫早の水門問題と相まって、長崎の漁業は存亡の危機にあると言える。
ホルマリンのおかげで”新鮮、長持ち”ではたまらない。

長崎県の主な”漁獲高日本一”  (お魚辞典HPより)

・さわら類  54%  ・ひじき   40.4%  ・さば     26%  
・あじ     30%  ・さざえ   18%    ・フグ     16.9%

以前読んだレイチェル・カーソンの”沈黙の春”にあった”食物連鎖による生物濃縮”を思い出した。

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