オーロラの旅 旅支度


 本来、2001年12月から”NZ、タヒチ、イースター島の旅2”へ行く予定だった。2000年10月からの
計画立案であったが、ある事情で8月に中止となる。その衝撃は少なからず大きく、しばらくの間は
何もする気になれないほどであった。2人旅の予定だったのでオセアニアが再び目的地になったのだが、
中止ということで次の目的地を探す。

 10年以上にわたり行ってみたいと思っていたニューヨーク。この機会にとインターネットで検索を
開始したのが9月10日。ニュースステーションを見ていると速報、NHKで2機目の突入を見る。
旅行者歓迎というが飛散したアスベストを考え無期延期。

 10月14日に祖父が逝去し、それに続く仏事の為あっという間に時が過ぎる。
12月にタイへでも行こうと思い情報収集を開始。しかし、証券会社との間にトラブル発生。
資金の目途立たず、断念。友人がカナダへワーキングホリデーで旅立つことになり、
バンクーバーへ来いという。単純に”寒いだろうな?”、”特にすることないな”という感じしかなかった。
12月中旬、突然証券会社とのトラブルが解決。慌てて決意。

 初めての北米ということでついでに何処かへ行こう、と考えるもののNY以外あまり興味がなく。
何となく世界地図を購入。今までの渡航先が全て太平洋地域だということに改めて気づく。
カナダでいいのか?とはいえアフリカならマサイマラ、ヨーロッパではアイルランドくらいしか興味がない。
じゃあオーロラでも見るか、とアラスカもリンクさせることにする。

 テロ直後に北米?との声も聞かれたのだが、これといって生存欲の薄い僕にはどうでもいいことである。
それより”寒さ”が気になった。今までに訪れた寒冷地といえばせいぜいスキー場、北海道へさえ
行ったことがない。”植村直巳る”にはちと早すぎると思われ気候を調べる。”オーロラ”、”アラスカ”などの
キーワードで検索。防寒靴、-30℃、凍傷、オフシーズン、バナナで釘が打てる・・・
取りあえずの課題は防寒対策である。

 ツアーなら防寒着5点セットがレンタル可能だそうだ(現地出発のツアーも)。
しかし、オーロラ観測ツアーは極寒の深夜だが最高気温が-20℃程度の日もあるとなると、
それなりの装備は不可欠となる。手元にあったL.L Beanのカタログを見てみると耐寒温度が載っている
商品がある。0°F、-15°F。 F?これまた実感がない。寒いんだろうな程度。

 素人では埒があかないので実際に専門店へ行ってみようと新宿南口のL-Breathへ。
アウターのコーナーで”アラスカへ行くんですけど、これで大丈夫ですか?”と近くにあった
The North Faceのジャケットを指差してみる。”え〜と・・・”と言ったきり、ジャケットの袖を撫ぜたまま
その女性店員は黙ってしまった。他の店員に聞くでもなく。

 凍死は避けたいのでこの店では小物のみにしようと思う。シューズコーナーへ。
数種類の防寒靴があり、試す。Columbiaの靴がデザイン、機能共に気に入り購入(あとで後悔する)。
ちなみに-30℃まで対応している。出来れば履いて出発したいが、機内では暑すぎると思われる。
ハイカットブーツなので荷物がかさばる事は否めない。アウターはインターネットで情報を集めることにした。
さかいやスポーツのHPでMarmotのダウンジャケットを見つける。
オーバーパンツ、アンダーウェアとともに購入。

 時期をいつにするか?どこかで”オーロラの当たり年”なるものを耳にした。
11年に1度、太陽の黒点活動が活発になるらしい。この時期には赤いオーロラが観測できるとか。
しかし、調べた結果”当たり年”は2000〜2001にかけてということが判明・・・
ここ数年不運続きの僕にとっては致し方ないか。我が人生に11年後はあまり期待できず、
事実上ラストチャンスを逸してしまったようだ。

 もともとの情報では、”12年に1度の当たり年”、”2001〜2002”。ガセネタである。
2000年には北海道、長野、山梨でもオーロラが観測されたらしい。
こうなってしまうと、”テロ直後&黒点の極大期でない=観光客が少ない=のんびりできる”を期待する。
(2/9からのソルトレイク五輪がらみで北米地域への旅行者が増えないことを願う)

 興味は”オーロラの写真をいかに撮るか?”に移る。




 10歳頃から写真を撮り始めた。戦争カメラマンになりたいと思った時期もあった。
ロバート・キャパにも憧れた。NZでは1年で1500枚以上撮影した。しかし寒冷地での撮影は未経験である。
デジカメや最近の一眼レフは電池を使うので寒さに弱い。
バルブ機能、マニュアル・フォーカス、f:2.8以下の明るいレンズ。
カメラショップをまわってみるもののこれといったものがない。

 そんな時、1台のカメラを思い出す。先日他界した祖父が30年数年前、ヨーロッパ視察旅行の際に
購入したカメラ、Canon VT。もう10年以上使っていない、すっかり忘れていたものである。
久しぶりに茶色い皮のカバーを開けて見る。
シャッタースピードの文字盤にB、絞り値f:1.8、広角35ミリ、ASA(ISO)400。完璧である。
1956年発売の45歳。寒がりでないことを祈るしかない。祖父に感謝。
星の観察と同様、オーロラの観測は夜間である。時期の選定にあたり新月がいつか調べる。
1/14と2/12がそれにあたる。
今回はせいぜい1ヶ月、オープンチケットは高い。スターアライアンス系で探すとやはりエア・カナダか。
ユナイテッドも考えたがメインがバンクーバーなのでシアトルとの往復を考えると・・・。
米国系ということで周遊を探したがアラスカ、メキシコを除くという設定がほとんど。
倒産の噂もあってエア・カナダに決定。(倒産した場合、スターアライアンスは崩壊か?)
日本国内発券に限り周遊券をディスカウントで買える。

 アラスカ航空の周遊券を選択、シアトル→アンカレッジ→フェアバンクス→シアトルのルートに決める。
(結局バンクーバーからシアトルの移動が必要になった。シャトルバスで4時間だそうだ。
余裕をもって前日シアトル1泊の予定。

アラスカ〜シアトル間は1区間$169、アラスカ内は$109で購入できる。購入後のルート変更は不可だが
日程は変更可。アンカレッジ近郊に氷河があるので2日、残りはフェアバンクスでオーロラに集中しようと思う。
ガイドブックを見る限り、アラスカ、カナダ共に安宿が少ない。長期滞在には向かないような気がする。
その点オセアニアの安宿充実度は群を抜いていると思われる。
 アラスカでは冬季、深呼吸してはいけないらしい。肺が凍るそうだ。絶対に走ってはいけないとのこと。
鼻毛が凍る寒さ、寒いんだろうな?そんな折、ドイツで-45℃を記録したというニュース。寒いんだろうな?
とにかく今回の装備は-30℃までしか対応できない。平年並みを望む。
桐灰カイロをご存知だろうか?桐の炭を使った携帯カイロである。使い捨てカイロは肌に近くないと暖まらない。
カメラの保温には適さないのである。白金カイロも考えたが、ベンジンは機内持ち込みできないし、
現地で買っても使いきるとは思えない。昔は薬局で購入できたようだ。
バンクーバーかアンカレッジで探そうと思う。


準備中、ANAのマイレージが15000マイルを越えた。3年がかりである。12/31までに達しないと10000マイルが
期限切れで失効するところだった。
先日、山口へ先祖の墓参の際レンタカーを利用、68マイルが加算されやっと到達。
出発前だが帰国後、韓国行き決定。



旅衣


・TOPS
・Marmot Parbat Membrain 650フィルパワーのgoose downを使用したダウンジャケット。
 シェルは防水・透湿性の高い素材。 -30℃対応
・UNIQLO エアテック・ライト・リバーシブル・ジャケット  インナー用ということでライト。
 新年のバーゲンでゲット。
・UNIQLO マイクロフリース・Tシャツ  暖かいです。静電気低減加工は重ね着には良さそうなので。
・THE NORTH FACE サーマスタット・ロングスリーブTシャツ  吸汗速乾性の高いサーマスタット使用。
 下着として。

・BOTTOMS
・THE NORTH FACE マウンテン・ライト・パンツ  ゴアテックス製のオーバーパンツ。
・MONT-BELL ダウンインナーパンツ  寒さ対策はいかに空気の層を作るかだとか。
・UNIQLO ストレッチ・フリース・パンツ  リーズナブル&暖かい これも新年のバーゲンで。
・THE NORTH FACE サーマスタット・ロング・タイツ  薄くて暖か。

・その他
・COLUMBIA Bugabootoo 保温・防水性の高い防寒靴。-32℃対応。
・Marmot A/T 手袋。ミトンタイプの方が暖かいらしいが、フィルム巻き上げと
 レリーズ操作し易いものということで5本タイプ。

 全てを試着してみる 上記の衣類を重ね着する。 上半身はダウンのせいで結構膨れた感じ。
 下半身は思いのほか動かしやすく、膝の曲げ伸ばしも楽。


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