オーロラとの遭遇


 2度目のオーロラツアーを予約する。前日食事を済ませ青年らと宿に戻ったのは午後10時少し前であった。
夕方から雪が降り始め、前日入れていたツアーをキャンセル、依然かなり強く雪が降っていた。
そのため 今宵は見られまいとシャワーの後、ページの更新の為せっせとタイピングに勤しんでいた。

 気がつくと午前2時。 何となく胸騒ぎを覚え部屋のブラインドの前へ。徐に指で引き下げ斜め上を見上げる。
オ、オーロラ出現・・・ フェアバンクスの街のど真ん中、街灯は深夜にもかかわらずコウコウと輝き、
目の前にはホテルの照明。部屋の明かりもつけたままのとても明るい環境なのに、窓越しのオーロラは
ミルキーブルーの威光を放っていた。  
 
 撮りたいという一身で防寒装備を身につける。順番を間違えたりしながら完了。心配なのはカメラ。
先ほどから暖かい室内ですやすやと眠りについていたやつをたたき起こし三脚につける。
階段を駆け下り入り口へ。フロントには誰もいない。中からは開くものの一旦外へ出てしまうと誰かに
開けて貰わなければならない。近くにあった雑誌を挟む。しかし・・・

 表に出るといきなり、”ヘイ!”と声がかかる。怪しげな連中がこんな夜更けにたむろっていた。
一瞬身の危険を感じる。オーロラは先ほどよりも幾分照度を落としながらも依然輝く。早くせねば。
一人の男性が近づいてくるのがわかった。退却。上からウィルが降りてきた。オーロラと不審者のことを告げると
”Yes”と素っ気無い返事。日常茶飯事のようだ。

 10分程たっただろうか、連中がタクシーに乗り込んでいるのが見えた。 タクシー待ち???
慌ててカメラのセッティング。オーロラは姿を消していた。


 今夜こそ、と迎えを待つ。通常より早い9時半のピックアップ。理由は不明。
初日と同じジェームスが一緒だった。彼は相当な天体オタクと思われ、早くも興奮していた。
(昨年、しし座流星群を見にオーストラリアのアリススプリングスまで行ったほどである)

 快晴である。幾千の瞬く星たちを遮るモノがないのだ。” 何故この時期を選んだのか?”
とジェームスに尋ねられ、”12日が新月だから”と答えると満面の笑みだった。
スキーランドに到着、早い時間の出現もあり得るとのことで早速カメラをセット。
 
 期待に胸が高鳴る。 早くもオーロラの前兆現象が始まっていると説明をうける。
徐々に日本人ツアー客が集まり始めた。やたらと星に詳しい老人が星空の解説を始めた。
東京から来たおばはんが流れ星を見てえらく感動したと見え、
”うわーすごい、きれー!、オーロラが見られなくてもこれだけで十分だわ・・・”
なんと不吉な。”お前も一緒に流れてしまえ!”とマジで思った。

  ふと気づく、寒くない。時計の温度計は−11.8℃から変化していない。
−30℃〜−40℃を予想していたので何か物足りない感があった。まあ寒すぎるとフィルムが切れたり、
カメラの油が凍結したりと良いことはないのでラッキーではある。
ホットチョコレートが甘すぎるので一口飲んでコーヒーを足す、これを数回繰り返しながら待つ。
(自動のホットチョコマシーンの為、コップ一杯になるまで出続けるのだ)
オーロラの帯が徐々に伸び始める。早速撮影開始。
 
 大層な機材を持ち込んでいる人達は外に出てこない、 北西の地平線から北極星付近を流れ
東南東の地平線へ、橋のようである。
その状態のまま1時間以上が過ぎ、午前1時をまわったころ状況が急変。
色を変化させながらオーロラの帯は幅を広げ、一部は渦を巻き始める。圧巻である。
しばし見とれてしまった。慌ててベストポジションを探す。高級機材の御一行様は
いつの間にか僕の目の前に陣取っていた。リピーターであった。
頭上の渦を撮ろうと三脚の角度を変えた時である。
 
 予想外のハプニング・・・・・・・・・。 三脚が折れてしまったのだ。雲台の繋ぎ目部分から見事に折れた。
カメラは雪中に落下。幸いカメラ自体の損傷は避けられた。 渦はますます鮮明に。
慌てた僕は薄暗い小屋の裏側を走った。ツルーーーン!アイスバーン&新雪の部分で転倒、右腰部強打。
関係ないっ”、とスクっと立ち上がり小屋の中へ。繋ぎ目は金属製ではなかった。 Photos
 
 撮影を諦め、デジカメでの記念撮影を頼む。 バルブ機能がついたデジカメでこれならオーロラを撮影できる。
但しバッテリーがどれほどもつのかは不明。 $35を払いその場でキャノンのBJプリンターでプリントアウト。
日本で所有しているのと同型機だった。出来上がりは合成っぽいものであったが、予想外の大ハプニングだった
ため止む無し。安物買いの銭失いを痛感する。 Photo

 帰国したらお祓いしてもらおうと思う。ここ数年アンラッキーな事象が起こりすぎている。
飛行機が落ちないのが不思議なくらいである。不満は残りつつも帰路へとつく。
ジェームスはいまいち納得していないご様子。10段階評価で5だと。
2週間滞在して最後に1度しか見られなかった人もいたらしいので、それに比べれば贅沢な話だ。
僕は満足であった。
 
 車中、”また出たら教えてくれ”と言いジェームスは後部座席で横になった。
3時過ぎホテルに到着、ジェームスは明日も行こうと言う。
しかし、3時間後には北極圏へ行くツアーを予約してあったので 丁重にお断りした。
シャワーを浴び、4時をまわる。ピックアップ時間を6時か6時半かど忘れし6時に間に合うよう準備。

結局6時半であった・・・。


オーロラ写真 2002/02/11深夜、アラスカ・フェアバンクス郊外スキーランドにて撮影。



※全ての写真を大幅サイズアップ
(2005/09/30)
サイズアップにより重くなりましたのでナローバンドの方は・・・

 Photos1  Photos2  Photos3  Photos4  Photos5  Photos6 09/30
Photos7 10/01

撮影環境  カメラ:キャノンVT  絞りf:2.0  シャッタースピード:開放12〜15秒  
フィルム:コダック GC400−8

もっと凄い写真を見たい方はこちらへ→Mount Aurora Fairbanks Creek Lodge
合成っぽい写真を撮ってくれた人のサイトです。



オーロラ・リンク

The Aurora Live生中継

Aurora Forecastオーロラ予報

オーロラを作ろうオーロラの作り方です。仕組みを知りたい方に。

SHOOTING THE AURORA BOREALIS多彩なオーロラ写真が見られます。
Aurora Borealisとは北極光(Nothern Light)のこと。

Auroras2000.comオーロラの”音”が聴けます。(要REAL Player)


オーロラ撮影をお考えの方へ:基本的に普通のデジカメでの撮影は出来ません。
ニコンやカシオなどの一部機種でシャッタースピードにバルブ機能付きのものなら可能かと思います。
通常のカメラでもデジカメでも、寒さの為バッテリーがあっという間になくなります。
出来ればフィルム撮影で電池のいらないタイプのものが良いでしょう。
電池が必要な場合、予備を沢山準備しましょう。結露対策も必要です。
カメラは外気温に慣らしておいて撮影直前にバッテリーをセットするのもいいかもしれません。
撮影後室内や車内に入ると冷え切ったボディーが一瞬にして水滴だらけになります。
室外でタオルなどにくるみ、ビニール袋に入れてバッグに入れ、翌朝取り出すとよいでしょう。
ジップロック、オススメです。(−70℃まで対応なので)
普通のビニール袋だと寒すぎて簡単に破れたりしますので。


          

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